私が毎月購読している、金融について書いてある冊子
「国民生活金融公庫の調査月報」
の中にニートについてのコメントがありました。
東京大学社会科学研究所助教授の 玄田 有史 氏です。
一部抜粋させていただきました。
ちょっと読んでみてください。
ちなみにニートというのは仕事に就かない若者(若年無業者)です。
ここから
ニートになる原因は人によって異なるので、一概にはいえません。
そのなかで強いて挙げるとすれば、大きく二つ指摘できると思います
第1は”やりたいこと探し”に迷い込んだ若者がふえていることです。 その背景には、大人が
「自分のやりたいことができなければ意味がない」
「自分らしい仕事をみつけないと楽しくやっていけない」 という考えを、子どもに植え付けたことがあります。
自分らしさなんてそう簡単にはみつからないですよね。
にもかかわらず、子どもは個性重視や自己実現などの言葉に過剰なまでのプレッシャーをかんじている。
そして、自分らしさがみつからないからだめなんだと思い込んでしまうのです。
第2は、コミュニケーションに対する苦手意識が強くなっていることです。 社会に出るにはコミュニケーション能力が必要だと聞いただけで、
「対人関係が苦手だから働くのは無理だ」
と考えてしまう。
人と付き合うことに対して過剰にプレッシャーをかんじるわけです。
(中略)
従業員を集団としてではなく、個人として取り扱う姿勢がなければ、後に続く若者が会社に対して希望をもてず、辞めていくでしょう。
今は自分らしさにこだわりすぎる時代であり、若者は、自分を個人としてみてほしいという気持ちをもっていますから。
ニート対策にも同じことがいえます。
彼らの多くは、心の中では働きたいと思っている。
働く意欲を潜在的にもちながらもあきらめている若者を、個々の事情に応じてどのように応援するかという観念から考えないと、確実に失敗します。
企業もまた、従業員一人ひとりの目線に立って、彼らが希望をもてるように取り組んでいるところが生き残るのではないでしょうか。
どう感じましたか?
私自身、自分のやりたい仕事だけをしたいと思っているので、
わかる気もしますが・・・まあ、親のすねをかじれるってことでしょうね。
っと、それは(今は)どうでもいいんです

。
食べるために働くんじゃなくて、
自分の力を社会のために生かしたいと思っている若者が増えてきている
私にはそう聞こえます。
自分のやりたいこと、
自分らしい仕事、
自分らしさ
「自分」が誰なのか、「自分」にはどんな力があるのか、
それを見つけようともがいているなんて素敵じゃないですか。
問題は働かないことなんでしょうけど、
そういう若者は「自分」さえ見つかれば全力を尽くすんじゃないかなあ。
私には中学生の息子がいます。
最近、夢を見つけました。
叶うかどうかは本人の努力しだいですが、
夢を追いかけている彼のパワーは凄いものがあります。
(そのエネルギーを勉強にも向けてほしいなあ)
エネルギーを全力投球できる仕事を探している若者の才能を見出し適切な仕事を与えることの重要さを玄田氏は説いています。
単純労働は中国を代表に周辺諸国に取られてしまうといわれていますね。
なんてったって、賃金も原価も安いんですから。
日本のやるべき仕事は、もはや単純な労働ではありません。
そして、知的レベルの高い日本の若者は自分の才能を生かしたいと思っているんです。
これは、偶然ではないでしょう。
しかし、個人の才能を生かすといっても今の学校制度では無駄な勉強ばかりで時間がもったいないなあ・・・って思うんですよね。私だけですか?
高レベルの大学へ行き、大手の企業に就職して安定した生活を送るというお母さんの幻想、これに子どもたちはゲッソリ
考えてみてくださいよ。
天才といわれる若者は、勉強もそっちのけでそればかりやっているような人たちじゃないですか。
もともと才能があったから?
いいえ、才能を生かしたから

ですよ。
ニートの存在は、社会の変化の前兆だと思えるんですよね。
(いや、もう変わりはじめている?)
私には、社会の変化に対応できずに取り残される中高年の失業者の方が心配です。
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